こんにちは。主に低音吹き 兼 司会者の すがです。

10周年記念演奏会は、濃ゆい曲を大盛りにしたので、練習が思ったより大変な感じです。
過去に演奏した曲ばかりとはいえ、その演奏は100点満点ではないし、パートもいくつか変わってるし、ましてや一度演奏してると具体的にどこが弱点なのかが明確なので、吹くのも聴くのもオソロシイ。
ということで、オソロシイ曲のうちの一つ、「A Turkish Bumble Bee」の過去演奏でも貼っておきましょう。

こちらも今回演奏します。めざせグレードアップ。

ちなみに、曲紹介を作るのも思っていたより手間でした。
過去に作ったものを見直してコピペでイケると踏んでいたんですが、きちんと調べきれてないかなと思う箇所がいくつかあったので、作曲者にも、聴きに来てくださるお客様にも申し訳ないので、すべて見直してリライトしました。

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さて、本題です。そんな中のひとつ。オランダ語圏の名前。
上記「A Turkish Bumble Bee」の作曲者、Jan Van Landeghemさんについて、「どう読んで、どう表記するのが正しいのか」気になったので、オランダ語圏の名前について調べてみました。

Jan Van Landeghemさんの出身地はベルギーで、1954年生まれ、オランダのマーストリヒト音楽院とベルギーのブリュッセル音楽院で学び、現在ブリュッセル音楽院の作曲家教授です。
ベルギーの公用語はオランダ語の一種であるフラマン語、フランス語、ドイツ語の3種類あり、国土の北半分がオランダ語(フラマン語)を利用していること、ブリュッセルがオランダ語とフランス語の2言語を使用していることから、オランダ語圏の名について調べました。

■読み方と意味
Jan Van Landeghem さんの場合、ファーストネーム(名前)が「ヤン」、ファミリーネーム(姓)が「ファン・ランデゲム」です。
Vanは前置詞で「~出身、~の出」という意味、Janは「息子」を意味し、オランダ語圏では、名前に「だれだれの息子」だとか「だれだれの娘」をつける、いわゆるアイスランド風(Icelandic system) といわれる慣習が一般的であったことから、現在もこの名前の付け方がなされているようです。

読み方ですが、オランダ語圏ではJanは「ヤン」となります。
Vanですが、vは「”vとfの中間の音”だが無声音のfに非常に近く、発音する上ではほとんどfのつもりで、気持ち有声音にしてvを混ぜる程度」とのことです。
そんな高度な発音は私はムリ!ってのと、マスメディアでも仮名書きを「ヴ」とするか「フ」とするかは悩ましいようで、両方の表記が行なわれているようですので、曲紹介の際はファンランデゲムってサラっと流しておきます。

Vanが姓に入る有名人を例に出すとわかりやすいですね。
ロックバンドのヴァン・ヘイレンのリーダー、エドワード・ヴァン・ヘイレン(Edward VanHalen)は、オランダ語圏ぽく読むとファン・ハーレンとなりますが、彼はオランダ出身ですがアメリカ国籍ですので、発音はがっつりヴァン・ヘイレンでOKです。それにファン・ハーレンだと、雰囲気が何だかロックではなくフレンチポップ的ですね。
格闘家で映画俳優のヴァン・ダム(Van Damme)、彼はベルギーのブリュッセル出身です。ちなみにヴァンダムは本名ではないですね。

vanという言葉は前置詞になり、姓に (van de)、ファン・デア (van der)、ファン・デン (van den)が入るという方も一般的とのことです。
オランダの競泳選手、ピーター(ピーテル)・ファン・デン・ホーヘンバンド(フルスペルはPieter Cornelis Martijn van den Hoogenband)とかですね。姓がファン・デン・ホーヘンバンドとなり、英語的な意味としては「ホーヘンバンドさん家のピーター」とか「Hoogenband村のピーター」ということになります。

■表記方法
さて、これらをふまえ、表記方法です。
ファンランデゲムさんの場合、Jan Van Landeghem がフルスペルです。これを略して表記する際は、J.Van Landeghem となります。
これをJ.V.Landeghem
とすると、日本語でいう、たとえば「濱野」さんを「H野」さん、「野」さんと呼ぶのと同じで姓の一部を切り捨ててしまう誤りとなります。
van den やら van der が付くのが割と一般的とのこと、前述のファン・デン・ホーヘンバンドさんも、長い名前やなーと思いますが、日本でいうところの「長谷川」くらいの感覚なのかもしれません。

今回演奏する「リコーダーのための組曲」の作曲者、Ralph Vaughan Williams(ヴォーン・ウィリアムズさん)、ファミリーネームはVaughan Williamsです。なので、略して表記する場合、R.Vaughan Williamsとなります。
そのため、たとえばJohn Williams と異なり、見出しはVの項目に置かれます。彼の姓も長いため、VWとかRVWの略称で親しまれていますね。
しかしオランダ語圏の名前の作曲家は日本では割とめずらしいせいもあるのか、Jan Van Landeghemさんの楽譜は先日ササヤ書店さんでは「L」の見出しで置かれていました。まぁでも、そのおかげで新しい楽譜が見つかったというのは事実です。探すほうも結局Lで探してたし。

ということで、「チーム・ランデゲム」改め「チーム・ファンランデゲム」、演奏会まで残すところあと1ヶ月、がんばりますー。
ところで、10回定演の曲はいつ練習するんですかねw

※参考ホームページ
Jan Van Landeghem – Jenny Spanoghe – Duo Landini | home
Jan Van Landeghem
蘭語学ことはじめ|2月(2)オランダ人の名前 | 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立民族学博物館
オランダ語の発音と人名・地名のカタカナ表記
人名力 : ベルギー王国
Van der Roost: Q & A