こんにちは。主に低音吹き 兼 司会者の すがです。
昨日は演奏会→打ち上げから帰ってきて速攻寝てました。今日はなぜか全身筋肉痛で体重が2キロ近く落ちていました。(が、どうせすぐに元に戻るんやろな……。)あらかじめ仕事は休暇を取っておいて本当によかったです。

6/10(日)、アンサンブル・ハーツ 10周年記念演奏会が無事開催&無事終了しました。とてもたくさんの方々にお越しいただきました。ありがとうございました。
10周年記念ということで、これまでの定期演奏会で発表した中から「もう一度やりたい」という曲を厳選したという、好き勝手やりたい放題の企画に関わらず、今回これまでで一番多くの方々にお聴きいただけたのではないでしょうか。感謝感謝です。

そんな満席の状態にも関わらず、空調は音が出ることから消しており、暑くご不便な状況となってしまいました。。。申し訳ございませんでした。暑い中、最後までたくさんの方々に演奏をお聴きいただけたことを心から感謝します。本当にありがとうございました。

さて今回は10周年記念ということで、先述のように好き勝手やりたい放題だったはずなのですが。
午前中の練習や午後のリハでは、メンバー各自がこれまでありえないミスを連発するわ曲は崩壊するわで散々でした。「今ミスっててよかったやん、本番やなくてよかったやん」というなぐさめの言葉が空回りし、いやこれどう考えてもマズいでしょあと本番まで2時間ないんですけどどーするんすかヤバいっしょという雰囲気の中、今回のホールで自分たちのみの演奏会をするのは初めてということで、演奏者以外は待機どこ?楽器どこに置く?譜面台は?入退場は?マイク上手にあるけど下手に持ってきていい?照明は?扉開閉は?ストラップどこ?てか録音は?という状況で、あっという間に本番突入でした。

ご縁があってローゼンビート音楽館という素敵なホールを貸していただき、このホールで定期的に開催されているモナートコンサートの常連のお客さまも多かったように思います。また、たくさんのリコーダー関連の方々やお友達、職場の方々にもお越しいただきまして、みなさん貴重な日曜日に、遠いところまで足を運んでいただきまして本当にありがとうございました。
また、ご意見アンケートもたくさんいただきました。アンケートはいつも演奏会終了後にメンバー全員で1通1通みなさまのご意見に目を通し、嬉しかったり気が引き締まったり。これらのご意見も胸に、次回以降の演奏会に向けて、引き続き精進します。
当日は東日本大震災義援金のための募金を行い、ものすごくたくさんの募金が集まりました。義援金合計はハーツメンバー含め前回を大きく上回る12,747円を、日本赤十字社を通じて寄付させていただきました。本当にありがとうございました。

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さて今回は10周年記念ということで、あくまで自分の目線ではありますが、1曲1曲、感想を書いてみたいと思います。

シックハルト作曲 4本のリコーダーと通奏低音のための協奏曲第1番ハ長調
司会でも述べましたが、オープニングにふさわしい、明るく華やかな響きの楽曲です。ハ長調で底抜けに明るいバロック音楽、ありそうでなかなか無いと思います。
コントラバスという低音パート、しかも通奏低音でこのような大曲への参加は初めてということもあり、カンがなかなか掴めず、コントラバス経験の豊富なメンバーのヘンリーに最後までダメ出しをくらった楽曲です。ありがとうヘンリー。そのおかげで何とか4声を支えることができたかな、と思いたいところです。コントラバスのくせにHiEなどのハイトーンがガンガン出てくるわ、動き激しいわで苦労しました。
舞台の床が滑るからという理由でタオルをひいて演奏しましたが、「あっ!座高が足りないから滑るんやコレ!誰かピアノ椅子を!」と気付いたのは本番での第2楽章過ぎたあたりでした。時すでに遅し。せっかくのビスチェのドレスで、楽器が滑らないようコンバスを全力で股に挟みながら演奏。そんな中、地獄の3、4楽章。まだ最初の曲なのにヒットポイントが減っていく……。

ファンランデゲム作曲 A Turkish Bumble Bee
さすが作曲の教授が作った作品、トルコ行進曲を聴いてるはずなのに途中で熊蜂がブーンと飛んできます。うまいなあ。
……ということは、トルコ行進曲を吹いているはずなのに途中で熊蜂の飛行をブーンと吹かないといけない。全然うまくない!やめてー!
この曲はグレートバスで参加しました。低音パートらしからぬ16分音符の羅列だらけです。途中でラデツキー行進曲が入りますが、ここの入りはいつも緊張しますね。ラスト近くの熊蜂状態の箇所を+Voice & フラッターで演奏してみましたが、よかったかどうかは、録音を聴いて反省会をします。

ショット作曲 アムステルダム運河にて
半世紀経った現在もオランダで歌い継がれているという名曲。そのオランダのリコーダーアンサンブルグループ、アムステルダム・ルッキ・スターダスト・カルテットの編曲がとことん凝っており、その中でいちばん難しいらしいアルトで参加しました。バーコードリーダーで読み取ったら何かそれらしき値段が出そうな真っ黒い楽譜です。中盤、とても美しいメロディー部分もあるんですが、leleleleとタンギングをして歌いなさいと指示がありまして。アルトでleleとやってもまるでteteっぽくなるので、プラス腹筋ビブラートを付け加えてみました。おなかいたいです。そのあとは延々続く32分音符のダブルタンギング+ありえない運指。おかげさまで、変え指と高速ダブルタンギングのとても良い練習になったYo(棒読み)。

レーンフーツ作曲 陽が輝く時(君は心の太陽)
ソプラノで参加しました。普段低音を担当することが多いこともあり、どうもソプラノは苦手意識があるんですが、よい訓練……じゃなかった練習になったと思います。
数年前、倍くらいに遅くしたテンポで1オクターブ下げて演奏した時はそれほど思わなかったんですが、この曲は異様に集中力が要りますね。高速三連譜での上行・下行など速いパッセージが随所に出現し、コケると繋がらないというプレッシャー。しかし楽しい曲なので難しそうに演奏するのはNGで、あくまで楽しそうに余裕綽々で演奏できるよう訓練じゃなかった練習したほうだと思います。「Uh? That’s right!」といいつつ正直内心は全然ザッツライトではなくUh?のままでした。

マンシーニ作曲(レーンフーツ編曲) On the trail of the Pink Panther
映画ピンクパンサーのテーマ、テナー1で参加しました。こういう耳なじみのいい曲に限ってとんでもなく忠実にかつ難易度高い楽譜にするレーンフーツって……。
一番苦労したのは中盤の三連譜です。テナー2と一緒に延々とオサレな伴奏をやり続けるんですがコレがクセモノで、「あんたさっきフラットいうてたやんか」「ちゃうわ今はシャープやねんな黙っとき」「シャープちゃうフラットや」「やかましいわ、そんなことより休符忘れんときや」と、脳と指が毎回喧嘩していました。

ヴォーン・ウィリアムズ作曲 リコーダーのための組曲
リコーダー用の楽曲として近現代に作曲された大好きな楽曲です。バスで参加しました。
一番好きなのが第2曲なんですが、メンバーからは割と不評だったのも今となっては良い思い出です。本番当日に第2曲をベストなテンポに持ってってくれたソプラノには感謝してます。
第4曲は本番当日朝の練習で見事崩壊したため、自分も本番当日に楽譜に休符を数える数字を書き込み、「休符は音楽、音楽は休符、速いは遅い、遅いは速い、信じるのは自分」とアンサンブルではなく禅問答のような心境で本番に臨みました。無事終わって本当にホッとしてます。

バッハ作曲 2つのプレリュードとフーガより第1番
この曲はソプラノ2で参加しましたが、まずこの曲を好きになることを努力した、という曲です。
譜面の難易度は高いほうではないと思うんですが、やればやるほどトラップに気付くという何ともイヤラシイ曲に思えて仕方がなく、練習するほどますます嫌いになりかけていたため、メンバーで合わす際はいつも「この曲好き……この曲好き……」と心の中で呪文のように唱えてから演奏していました。そうすると不思議なもので愛着がわくもんですね。もうやらないのかーと思うとちょっと寂しいです。

ヴィヴァルディ作曲 協奏曲ヘ長調 海の嵐
協奏曲というジャンルを確立した作曲家の名曲なので、司会での曲目紹介ではどうしてもその旨を伝えたかったという思いがありました。
全3楽章のうち一番好きなのは第2楽章ですね。第1楽章の半終止から続く、束の間の静寂なのにねっとりと絡みつくようなソリストパートのフレーズと対峙し、しかし軽いピッチカートのベースと長調のユニゾンなフェルマータで終わる幸せは、たとえるならそう、うまい酒とうまい肴とが出会えた至福といいますか、……あれ、何か台無しですね(汗
今回ソリストの圭子さんは今回を最後に引退とのことですが、すばらしい演奏者なので、育休が終わったらぜひまた戻ってきてほしいです。てか戻ってきてください><

ウォーロック作曲 カプリオール組曲
曲目紹介でも述べたとおり、この曲は弦楽オーケストラ用、管弦楽用、ピアノ連弾用の版が存在します。ですのでリコーダー版は編曲ものなんですが、コンクールや数々のコンサートでもリコーダーで演奏されるほど、リコーダー演奏家から愛されている楽曲ではないでしょうか。
この曲はグレートバスで参加しました。第5曲の「PIEDS EN L’AIR」は、ダンスで重心を片脚にかけた際に、残った空中にあるもう一方の脚のことを指すという、実に不安定な様を表現していることから、練習の際に「愛は奏でないでください」とよく言ってきました。つい愛を込めたくなる美しい和音進行なんですが。
グレートバスでロングトーンが多いカプリオール組曲がラストになることから、毎日通勤電車の中で立ったまま腹式呼吸で32秒(4拍×8回)息を吐き続ける訓練を重ねてきましたが、やっぱキツかったですね。

ベートーヴェン作曲(レーンフーツ編曲) Tango für Elise
アンコールは「エリーゼのために」をタンゴにした面白い楽曲を演奏しました。これは譜面が意外と難しく、アーティキュレーションがくせものだったり、半音階のようで半音階でない進行があったりと、1分程度なのに結構いろいろな意味で悩ましい楽曲です。最後の「タンゴ・ヒュー・エリーゼ、オーレ!」という掛け声というか歌は、ハーツは女性というか女声が半数いることを我ながら忘れさせるくらいにテナー・バリトンですね。

以上、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
次回開催の第10回定期演奏会も楽しい演奏会になるよう、練習に励みます。今後ともアンサンブル・ハーツをよろしくお願いいたします。